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興福寺境内図（乙）

コウフクジ ケイダイ ズ オツ

17--

[出版者不明]

[出版地不明]

[寛政3[1791]頃]

軸 ; 134×177cm

本図は東を上にして表装された横177cm縦134cmの興福寺境内図である。墨筆で描き、菩提川・猿沢池・南大門前などに淡青色の色彩が施されている。金堂・講堂などの伽藍、北円堂・南円堂・勧学院・観禅院・菩提院・大湯屋などの堂舎は立体的に描かれているが、僧坊の建物は平面図で示している。立体的に描いた建物には、名称・瓦葺・桧皮葺の区別、桁行・梁行・高さの寸法が、平面図で示した建物には縦・横に間数が記されている。本館蔵の興福寺境内図(甲)は東の氷室神社まで描いているが、本図は興福寺築地内とその南の僧坊と猿沢池だけを描く。左下には、興福寺境内図(甲)と同じく春日社興福寺領の朱印高を示し、春日神社境内図を含めた惣坪数を162万6880坪余としている。この内訳は、築地内が6万4625坪余、築地外菩提院方・龍華院方・登大路方寺院並境内が5万3026坪余、築地外末社境内2190坪余、春日社頭並山内145万坪余、春日社家・祢宜居屋敷5万6839坪余。金堂・講堂・三面僧坊・鐘楼・鼓楼・回廊・中門・南大門は朱線で囲み、享保2年(1717)正月の炎上の事と寛政3年(1791)8月の東室顛倒の事が朱書されているので、寛政3年から程遠からぬ時期に作製されたたものと見られる

色調: モノクロ

T-1-12

556006948

ふるさと貴重書庫

禁帯出